患者の声:希望をもって生きる

9ヵ月前にALSの確定診断を受け、それ以来、生活は一変し、病気と向き合う闘病の日々を送っています。ALS は現在、治すことのできる治療薬というものがなく、進行を遅らせるための薬が2種類、国から承認を受けています。1つは「リルゾール」という錠剤。もう1つは「ラジカット」という点滴薬。この2つの薬を、ずっと続けています。

体に異変を感じ始めた頃、症状をもとにいろいろ調べていくと、「もしかしたらALSでは……」と思うようになりました。それからはALSに関して、インターネットで情報を収集。さらに「日本ALS協会」に相談するなど、時間があるとALS について調べていました。今思えば不安でどうしようもない気持ちを抑えるのに、必死だったのだと思います。

そんなふうに、それなりに知識をつけていたので、ALSと診断された時、私のほうから主治医に2種類の薬を始めたい、と申し出ました。リルゾールは毎日朝晩服薬。ラジカットは毎月10日間続けて点滴します。私は下肢から発症したので、自力で歩いて(電車やバスの乗り継ぎもあります)病院に通うのが難しくなることを予測して、早々に訪問看護を依頼。診断から半年たった頃から病院通いを週1回にして、他の点滴日はすべて訪問看護でお願いしているので、体力的な負担も少なくすんでいます。薬も点滴も保険適用のため、経済面でも継続しやすい状況です。効果に関しては正確な答えは出ませんが、今でも自力歩行ができ、握力の低下もなく、ヘルパーさんに頼ることなく生活を送れています。

最近はALSを完治、もしくは進行をとめる治療法の開発が、海外を含め活発に行われています。近々、有効な治験が始まるという情報がメディアに出るなど、ALS は生きる望みのない病気ではなくなってきている、治る希望をもつことができる、そう信じています。だから少しでも進行を遅くして現状を維持していたい。私はこれからも2種類の治療薬は続けていき、さらに家族のためにも、有効な治療法が開発されるのであれば積極的にチャレンジしてあきらめずに生きていきたいと思っています。50代 女性

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