菊池 廣江(療養相談員・訪問看護師)
昨今、ALS の原因解明や新薬開発には目覚ましい発展がありますが、それに携わる先生方から ALS の進行抑制にはケアによる効果が大きいという話を聞くことがあります。この場合のケアとは、早期介入利用でのリハビリや呼吸療法、体重を落とさない栄養療法、胃ろうの造設などをいいます。
今回は ALS 病初期(大まかに診断から気管切開前)の栄養療法と胃ろうを中心に説明します(基礎代謝低下の呼吸器装着後は別です)。
① 体重を落とさないこと=生存期間が延びる可能性を高める
ALS の予後における栄養と体重維持の重要性についてのエビデンス(科学的根拠)が集積されつつあり、月あたり 1%以上の体重減少や発症前からの 10%の体重減少は生存期間に負の影響を与えると言われています。一方、診断前の体重を維持もしくは増加をさせることができた患者さんは体重が減った患者さんよりも生存期間が半年以上長いとの報告があります。
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