嚥下障害(3)誤嚥性肺炎を防ぐ

歯科医師であり人工呼吸器を装着したALS 患者でもある私が、歯科医師の視点と当事者としての体験から語らせていただきます。

三保 浩一郎 広島県支部支部長・歯科医師・人工呼吸器装着

誤嚥性肺炎の主な原因は唾液の垂れ込みです。しかも、気付かぬ間に、無意識に、唾液は気管内に垂れ込んでしまうので、困ってしまいます。ALS患者は嚥下障害により、唾液も上手く飲み込めなくなり、唾液が口からあふれ出ることも稀ではありません。また、ALSの合併症に唾液の分泌量が増えるというものもあります。一時的に唾液の量を減らす薬もありますが、私をはじめ多くのALS患者は唾液を持続的に吸引する口腔内持続吸引器を利用して、唾液の気管への垂れ込みを防いでいます。

この口腔内持続吸引器には既製品もありますが、金魚の水槽用のポンプとシリコンチューブ、ペットボトル等を使って自作する方法もあります。金魚ポンプを使うのは、安価、長時間、低圧で、しかも静かに動作し続けることができるからです。金魚ポンプのポコポコとゆっくりエアーを出す原理を利用して、エアーを送る弁を逆に改造すると、排気ポンプから吸引ポンプへ変身します。詳しい自作方法については、先輩患者に相談するか、インターネット等で情報を集めるといいでしょう。

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