国立精神・神経医療研究センター 身体リハビリテーション部
寄 本 恵 輔
有効な咳とは、 最大咳速度 Cough Peak Flow(CPF)が 270L/ 分以上で呼出することです。病院などで検査することができますが、「ピークフローメーター」と検索すればネットでも数千円で購入ができます。ALS において、病気の進行により呼吸筋が弱まり、咳が弱くなり、CPF160L/ 分を下回ると喀痰が困難となるため誤嚥や窒息のリスクが高まり、生命を脅かします。
そのような中、1990 年代に日本では、有効かつ容易に咳補助ができるため咳を補助する機 械 的 咳 嗽(Mechanical In-Exsufflator: MI-E)を多くの ALS 患者は使用するようになりました。当初は「カフマシーン」という名称で購入や有料レンタルが行われていましたが、そこから「カフアシスト」という名称が定着し、2010 年には「人工呼吸器を使用している在宅療養している神経筋疾患患者等」に MI-E が保険収載されました。 つま り、 ALS 界隈において 30 年近く排痰機器の代名詞として「カフアシスト」が一世風靡していた時代がありました。
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