ALS は病状の進行により手足の筋力低下に加え、呼吸する筋力(横隔膜等)が低下するため、強い咳せきや深呼吸が困難となります。その結果、痰が詰まり苦しくなったり、肺炎を引き起こす可能性があります。また、換気不足により血中の二酸化炭素分圧が上昇するため、初発症状として、頭痛、眠気、易疲労(通常より疲れやすい体質)が出現し、やがて意識がはっきりしなくなります。つまり、ALS 患者にとって生命予後を左右する大きなポイントは、呼吸状態であるといっても過言ではありません。
そのような中、とても大切なポイントとしては「ALS の病気自体は根治治療に至っていないが、ALS の呼吸の問題に対しては、なんとか対応することが可能」ということです。
発症初期や呼吸障害があまり出ていない時期から行える呼吸リハビリテーションとして、咳の力を増幅させることや深呼吸を可能にする方法があります。人工呼吸療法は生命予後においては有効なのですが、課題解決と意思決定支援が必要です。
人工呼吸器を使用する人も使用しない人も実践できる呼吸リハビリテーションとして、ここで機械的咳嗽補助(MI-E)と新しい呼吸理学療法機器「LICTRAINER®」について説明します。
==================================================================
こちらの記事は会員限定です。
閲覧するにはログインをお願いいたします。新規ご登録は下記からお願いいたします。