呼吸が困難になってきたら(5)ALS の呼吸障害に対する主な対応

(1)非侵襲的呼吸サポート(マスク式補助換気)
筋力低下により不足している呼吸を、鼻マスクを装着し機械の力で補います。一般的にはNIV やBipap などの名称で呼ばれています。上手に使用するためにはマスクのフィッティングが最も重要になりますが、さまざまな種類があるため医療者とよく相談の上選定することが大切です。はじめは短時間から開始し徐々に慣れていくことが必要で、間欠的に使用する場合や24 時間装着する場合などさまざまな使い方が可能です。

(2)侵襲的呼吸サポート(気管切開+ 人工呼吸器)
手術により気管に穴を開けて(気管切開)人工呼吸器を装着する方法です。マスク式よりも確実に呼吸をサポートすることが可能です。病初期には短時間の離脱が可能な場合もありますが、進行に伴い24 時間装着することになります。しかし人工呼吸器の性能向上や小型化により、車椅子で外出するなど活発に活動している人もいます。

(3)呼吸サポートを希望しない(緩和医療)
積極的な医療的介入は希望しないものの「苦しさや痛みは何とかしてほしい」という要望にはオピオイド(麻薬)が使用されます。がんに使用される服薬量と比べるとごく少量ですが、呼吸苦などに非常によく効く場合があります。我慢せずに医師に相談しましょう。また、意思の決定については、患者本人のみでなく家族・医療者などと何度も話し合っていくことが必要です。

 

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