呼吸が困難になってきたら(2)呼吸を保つための体力維持と栄養管理

ALS では、呼吸障害の予防として栄養を管理し、体重を減らさないようにすることが大切です。体重が減ると呼吸障害が強まるからです。呼吸を維持するためにも栄養、体力・筋力を維持することです。ALS では胃ろうも呼吸維持のために必要な手段と考えます。たとえ人工呼吸器を着けたくないという気持ちがあったとしても、胃ろうを含めた栄養管理は必要です。ALS における胃ろうは決していたずらな延命措置ではないことを強調しておきます。
ALS の胃ろう造設のタイミングに関しては、ガイドラインでは努力性肺活量(% FVC)が50%までの実施を奨励しています。この呼吸による判断基準は患者にはやや分かりにくく、体重基準が分かりやすいと思います。日頃から体重を測定し記録しておきましょう。ベスト体重から5%低下したら胃ろうを考慮、10%を割る段階で決断の時期と考えます。呼吸障害が進む前の段階で、少し早めに実施するのがコツです。また胃ろうをつけたら口からは食べられなくなるという誤解がありますが、特に初期には胃ろうと経口摂取の併用が可能です。

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